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犬猫コラム

【獣医師インタビュー】複数・多頭飼いの方必見!身近なところに潜んでいる感染症の原因とは?

「そとねこ病院 HOME」 黒澤理紗先生

動物から人間にうつる病気はありますか?

あります。ぱっと思い浮かべのは「ノミ・ダニ」ですね。
刺されます。あとは糸状菌というカビもうつります。
回虫やコクシのいくつかは子供がうつると下痢をしてしまったりします。
あと、有名なのはマダニ。
マダニの中にウイルスがいて、マダニに吸われることでうつり、
非常に稀ですが、亡くなった方もいるため有名になりました。
ーノミ・ダニってどうすればいいんですか?
簡単に落とせる薬があります。
家猫の場合は、外に出さなければノミ・ダニはつきません。
一般的に言われる布団にいるノミ・ダニとはまた種類が違い、
動物につくマダニは草むらで増えることが多いです。
外から付いてきてしまったノミ・ダニなどは、
猫を駆虫したりシャンプーしても、
ノミが布団に卵を産んでしまうとすぐに増えてしまいます。
そのため、対策としては外に出さないことに加えて、
駆虫薬の投与など定期的に予防をきちんとすることが大事になります。
また、部屋に毛などいっぱい落ちていると
ノミやダニの餌がたくさん落ちていることになります。
病気は不衛生なところの方がなりやすかったりするので
清潔にしておいたほうが良いです。

保護活動や多頭飼いしてる方に
アドバイスをお願いします。

自分が病気を他の猫達にうつすかもしれないという
認識を持たないといけないです。
手洗いをしなかったり、
服に汚れがついたまま子猫を触るなどで
自分が原因で猫を汚染してしまうことがあります。
特に野良猫を触ることがある人は、
それを知っているだけで、食器を洗おう、手を洗おうなど
気をつけることができる。
保護してる場合(ケージに入れるなど隔離してる場合)は、
空気感染するものでなければ、基本的には人間がうつします。
私も獣医になりたてで、野良猫病院に通っていたころ、
自分の家の子にパルボをうつしてしまったことがあります。
その日、野良猫病院にパルボの子を連れてきた人がいたらしく、
それを知らずにいて、手洗いはもちろんしていたのですが、
今思えば簡単にすませていたのかも。
家には生まれたての子猫と親猫を保護していたので、
子猫たちにうつってしまって、
5匹いたうち1匹が亡くなってしまったんです。。
やっぱりそれは自分がうつしてしまったんだなと思います。
それからは、野良猫に触った日は、
家に帰ってお風呂に入ってから家の子に触るようにしています。
感染症を人が運んで死んでしまうことがあることを
みなさんにも知っておいてほしいです。
ー カリシウイルスはどうでしょうか?
カリシウイルスの場合はかかったら
すぐに死んでしまうものではないのですが、
たまに強力なものにあたってしまうと、
死んでしまう場合があります。
カリシも、環境によって強く生き延びるので
怖いと言われています。
ー ノロウイルスみたいなものっていいますよね?
そうです、ノロと一緒で簡単には死なないんです。
パルボも環境が整っていると2~3年くらい生き延びます。
うんちの中や壁に飛び散ったものの中で生き続けてしまうので、
簡単にうつしてしまうんです。
コクシジウムもなかなか死なないので、
ケージやトイレを熱湯消毒しないといけません。
スチームクリーナーがあると便利ですね。
感染症って意外に簡単にうつるので、
あまり考えてない人は結構危ないです。
子猫の場合は特に危険なので、
そういう認識を持てる人が保護しないといけないですね。
ー ジーミストの噴霧はウイルスに対して
 有効でしょうか?

そうですね、
有機物(嘔吐物や便)があると
殺菌力が無くなるので、効果がないのですが、
体内や嘔吐物、便などに入り込んでいなければ効くので
やったほうが良いです。
とくにパルボはペットショップや愛護センターでも
広まりやすく、頭数が多いとあっという間に
感染して大変なことになります。
対策は大事ですね。

ー 普段からやったほうがいい対策はありますか?

手洗いと、ケージの拭き掃除や清掃です。
よっぽどふれあってなければ服についたりは
してないとは思うのですが、
毛や便に付着している場合もあるので
清潔を保つことは大切です。
一般家庭ではまず寝床やケージの衛生対策として
ジーミストを使うのが良いのではないでしょうか。

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