嘱託警察犬を知っていますか?
嗅覚の鋭さと人間への忠誠心を生かし、事件の犯人特定や行方不明者の捜索などを行う警察犬。
現在警察で飼育・管理・訓練されている犬種は、エアデール・テリア、ボクサー、コリー、ドーベルマン、
ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、シェパードの7種が指定されています。
大きく迫力のある犬種、というイメージですが、実はこれら以外の小型犬も警察犬として活躍しているのをご存知でしょうか。
指定外の犬種が警察犬として活躍できるのは、日本警察犬協会が“嘱託警察犬”の制度を導入しているからです。
嘱託警察犬とは、民間で飼育管理されている警察犬です。
飼い主の元で訓練を受け、各都道府県の審査会で選考に通ると警察犬として指定されます。
上記の指定7犬種は大・中型犬が多いですが、嘱託警察犬はチワワ、トイ・プードル、柴犬、
ミニチュア・シュナイザー、ミニチュア・ダックスフンドなど小型犬も指定されています。
小さく軽い体型で狭い場所にも入りやすいため、災害時の捜索救助にも役立っているそうです。
嘱託警察犬は、一般の飼い犬が飼い主の意向で訓練を受け警察犬になるケースの他に、
飼育放棄をされてしまい殺処分予定だった犬が保護され、訓練を受けて警察犬になるケースもあります。
一度は捨てられた命に、再び生きる意味を与えられるきっかけになるのは、素敵なことですよね。
一方で、現状での問題点もあります。
嘱託の場合、訓練費用や通常の飼育・メンテナンス費は飼い主(保護団体)の負担となり、
出動した際の謝礼がそれを賄うまでに満たないという現実があり、そこが今後の課題と言えそうです。
警察犬の出動要請は増えている一方、頭数は減少傾向にあるようです。
警察犬、それを求める人、飼育管理する人、それぞれの立場で良い関係が実現するといいですね。